企業算命の開発背景 その2 〜世界と人間の構成要素〜
既存の様々な適性検査やタイプ診断に満足していない経営者の皆様へ。
なぜ、それらは十分に機能しないのか。
回りくどい話になって恐縮ですが、以下の考察は、その理由として参考にしていただけましたら幸いです。
人を本質的に見極められる人材アセスメントを創るに際し、まず、世界と人間の構成要素について改めて考え直すことにしました。
宗教哲学の分野で散々議論されてきたテーマですが、それをビジネスの領域に応用するための考察の軌跡にしばしお付き合いください。
世界の構成要素
易経の説卦伝に「天地人三才」という言葉があります。
ごく単純化すると、世界には、天と地と人それぞれの働きがあるということだと私は捉えています。
感覚的ですが、これは多くの人が概ねそのように理解しているのではないでしょうか。
天体の運行を観測することはできますし、足元には土地がありますし、土地から採った動植物の命を人は食べて生きていますから。
世界は、天と地の間に人がいて、それぞれに機能している。
これを自明のこととして、人間について深掘りをしてみたいと思います。
ちなみに、ヴェーダンタ哲学や批判哲学など一部の思想は、ビジネス文脈では話をややこしくするので、脇に置かせていただきます。
人間の構成要素
古今東西、人間は3つの構成要素から成り立っているという概念が多いようです。
Body / Mind / Sprit
とか
魂 / 魄 / 体
とか
霊 / 魂 / 体
といった具合です。
私は、霊魂体という言い方を採用しています。
肉体
肉体が存在し、それを使役して生きていることは、一生活者としては論を俟ちません。
肉体の元を辿れば、私達が住み暮らすこの星に行き着きます。
進化論が正しいかどうかとか、宇宙人よる遺伝子操作があったかどうかといった話題はさておき、地球上で生きている以上、肉体が地球由来の物質から構成されていることは疑う余地がありません。
物質的容器あるいはセンサーとしての肉体。
その中に何が入っているか、あるいは、その外に何を纏っているかについては、人それぞれ考え方に違いがあるようです。
霊体
仏教で言えば輪廻転生する当体であり、神道で言えば御霊であり、キリスト教で言えば永遠性を持つ霊魂のことであり、これを示す呼び名として、個人的に霊体という言葉を用いています。
多くの占いが生年月日を用いるのは、この霊体を特定するためだと私は考えています。
霊体がどのように形成されるのかについては、ここで論ずべき範疇を超えるので詳述を控えますが、元を辿れば、そこは神仏の領域と言わざるを得ません。
魂体
俗にオーラと言われるものです。
気功の修行を重ねてきた方や一部霊能者の方には視覚的に捉えることができるようですね。
魂体は、生者にしか存在しないものです。
出産と同時に顕現し、肉体が死ねば魂体は肉体を離れるようです。
これも元を辿れば、やはり、創造主の領域と言わざるを得ないものです。
この3つを私は人間の構成要素として捉えています。
そして、これらをまとめて呼ぶためにつけるラベルが名前です。
名前
この世で唯一自分を識別するための音になっているのが名前です。
生まれてこの方、幾度となく自分に向けて発せられる同じ音。
幼少期の段階で既に、その音が自分自身と不可分となっています。
自分に向けられたものではなくても、自分と同じ名前が聞こえたら、自分のことだと思ってしまうものです。
従って、名前も人間の構成要素の1つと捉えることができそうです。
ちなみに、心とか精神とか呼ばれるものは、霊魂体のそれぞれが動いた結果に名前をつけたものであると私は認識しています。
天地人三才
ここで、話を天地人に戻しましょう。
人間の構成要素を天地人に当てはめると、以下のようになります。
天:霊+魂
地:肉体
人:名前
それぞれどのようなものかを観察・考察してみます。
天
人間にとっての生年月日であり、変えることができないものです。
その人の今回の人生の設計図とでも言うべき情報を表現しています。
地
人間にとっての肉体(遺伝)であり、自然と変わっていくものです。
「男四十にして顔に責任を持て」などと言われますが、顔は貸借対照表のようなもの。
その人のこれまでの人生がどのようなものであったのか、現時点でどのような行動特性を持っているのかを表現しています。
人
人間にとっての名前であり、変えることができるものです。
人の名前には親の願いが込められています。
その人がどのような思いのエネルギーを纏って生きているのかを表現しています。
以上が企業算命の世界観です。
上記のような論理基盤の上で、天地人の各要素を読み解く複数の技術を用いてレポートを作成しております。
翻って、既存の適性検査やタイプ診断に思うこと
人間の先天的構成要素を考慮せず、何らかのテストを行って、現時点の思考だけを診断してみたところで、そこにどれほどの意味を見出せるでしょうか?
人間の思考ほど移ろいやすいものはありません。
人間はこの世界ないし神と呼ばれる存在の創造物であり、人間が世界を創造したのではありません。
人間には思考によって物事を創造する力がありますが、人間自体を生み出すほどの力はありません。
人間の力と人間を生み出した力、それは比ぶべくもないものです。
人間を生み出した力が、ある個人の宿命を通して何を表現しているのか。
人知をしてその理解に肉薄できる手段を私は模索してきたのです。